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~時の交叉路~

小さな囁きと共に  誰かに届くように  そっと置いてみる    

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【忠告】
文字数:1379文字
 教室でボーとしている冷夏に声をかける。
  「おはよん」
 冷夏はビクンと体を震わせ振り向く。  
  「何よ、そんなに驚く事ないじゃない」
  昨日、冷夏は彼にあったのかな。
 だって、彼が冷夏を見てる。
  「昨日、彼と何かあった?」
  「え?何が?」
  目をぱちくりしてる冷夏。
  「何とぼけてるのよ。彼、さっきから冷夏の事見てるよ」
 冷夏は視線を私の牛をに向ける。 
  「彼は、ダメだよ。私が・・・」
  よけいなことは言わない方がいいかな。
  「気のせいじゃないの?昨日はずーと黙っていただけだよ。」
  「ホントに?」
  夢でも会ってないの?
 夢の事なんて言ってくれる分けないか。
  「ほんとだよ」
  冷夏は慌てて否定する。
  「なぁーんだ。そう言えば冷夏ってば人嫌いだもんね」
  あんまり疑っててもしょうがない。
  「ね、冷夏これ教えて、今日あたるの」
 私は本来の目的に話題を逸らした。
  「どれ?」
  頭の上で声がした。
  ひょいっと顔を覗かせたのは、あの転校生だった。
  「教えてくれるの?」
  ちょうどいいや。
 彼の方を探ろうっと。
  「ああ、そのつもりだけど」
  「あのね、ここなんだけど・・・・」
  
 ・・・・・・。
  結局上手く交わされて何も聞き出せなかった。
 はあ、収穫無し。
 
 あれから、なるべく2人にしないようにした。
 だって、冷夏に何かしようとしてるのは分かってる。
  「冷夏、帰ろうよ」
  私はいつものように冷夏を誘う。
  「あ、ちょっと待っててくれる?日誌を書いて、職員室に持っていくから」
  冷夏は黒板を消している。
 日誌は私が書いていった。
  「日誌は書いてあるよ」
  「ありがと、雷那」
  冷夏は日誌を持って廊下を出ていく。
 
 「さてと・・・」 
  私は秋月君の方を向く。
 「何?怖い顔して」
 秋月君は私を不思議な顔で見つめる。
 「冷夏をどうするつもり?」
 探って分からないなら、正面から聞くしかない。
 「どうする?」
 とぼけ顔の秋月君。
 「夢の者がわざわざこっちに来るのはどうして?」
 秋月君の顔が変わる。
 「何の・・・」
 明らかにうろたえている。
 「とぼけるのはいい加減にして。冷夏は気に入ってるの」
 「フゥームだよ。そう言う君こそ何者だい?」
 諦めたように、本性を現した。
 声が冷たく教室に響く。
 「さあね。とりあえず、彼方と同じ異界の者でしょうね」
 「だったら、君と僕の目的は同じじゃないのか?」
 ククッと口の端をゆがめて笑う。
 「同じ?」
 「彼女を同じ世界に連れて行く」
 !!
 それは冷夏の死を意味する。
 「そんな事させない」
 私はぎゅっと拳を握りしめた。
 「僕を消すことは出来ないよ。僕の主は彼女だもの」
 やっぱり・・・。
 「だったら、夢に行かせないようにするわ」
 彼女が望まなければ、行けない。
 「頑張ってね」
 嫌味たっぷりに彼が言った。
 
 ガラリ
 と、冷夏が入ってくる。
 聞かれてた?と思ったが
 冷夏はぼうっと自分の机に向かった。
  「おそーい。何してたの?」
  私は冷夏に近づく。 
  秋月君も私の後ろからついてくる。
  「先生に、呼びとめられてて・・・・」
  ボーとした声。
  「どうかした?元気がないみたいだけど」
  そう言ったのは秋月君の方だった。
 先に言われた・・・。
  「先生に何か言われたの?」
  何言われたかは想像つくけど。
  「別になんでもないよ」
  「そう?気にしてないんだ。じゃ、帰ろ。ハイ、冷夏のかばん」
 にっこり笑う冷夏に私は苛立った。 
 私には何もいってくれない。
 誰にも何も言わない。
 冷夏は何時だって一人で答えを見つける。
 それが寂しかった。
  私は冷夏にかばんを差し出す。 
  「ありがと」

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