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~時の交叉路~

小さな囁きと共に  誰かに届くように  そっと置いてみる    

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【殺人】01
文字数:710文字
 夢を見た―――
   悪魔の夢。
 崖が真上に見える。
 あの夢の続きかな。
 体のあちこちが痛い・・・
 私は空を見ながら思った。
 いや、実際にそう思ってるのはこの体の持ち主だろう。
 あお向けになった身体は動くことも出来ないようだった。
 あれ?
 この身体の思考は何も感じられない。
 死んでるのかな?
 サク サクッ
 草を踏む音が聞こえる。
 誰か近づいてくる?
 人影が、視界の端に見えた。
 男の人?
 まさか、村人じゃないでしょうね・・・
 ピクンッ
 この身体の手が動いた。
 (誰?)
 あ、生きてたんだ。
 近づいてくる人影は、どうやら村人ではない。
 若い男の人だ。
 「その身体では、もう死ぬしかないな」
 その人は冷ややかにそう言った。
 助けてくれるのかと思ったら、何てこと言うのよ。
 (死ぬ!?)
 「イヤか?私にその身を預けるなら助けてやってもいいが・・・」
 助けてくれるのなら最初からそう言いなさいよ!!
 「永遠の罪を背負う覚悟があるなら」
 ???
 なんの事?
 (!!)
 この身体の持ち主は意味がわかったようだ。
 (・・・・・・)
 何かを考えてる?
 何迷う事があるのよ!!
 助けてくれるって言ってるんだから、助けてもらいなさいよ!
 ―――――――――――
 「た・・す・・・・・け・・て・・・・・」
 声を振り絞ってそう言った声が聞こえた。
 「よかろう」
 そして、その人はこの身体の唇に自分の唇を・・・
 キスーーーーー!!!!
 ちょっと、私のファーストキスどーしてくれんのよ!!
 ま、いいや。これ夢の中だし
 じゃなくて、この身体確か男じゃなかった?
 ・・・・・・・・
 考えない事にしよう・・・・
 この身体は、力つきて意識がなくなってゆく。
 あれ、 この人の目、誰かに似てる。
 誰だっけ?誰かに・・・
 だ・・・れ・・・か・・・に
  ――――――――――!!
 

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