"ドリーム"カテゴリーの記事一覧
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《店を見つけなかったら編》【銀色】それが予感だったのか。それとも、偶然だったのかは知らない。だた、そうしなければならないような気がしていた。私は、雪の中をさまよい歩いていた。ちょっとしたことで母親と言い合ってしまった。そのまま家を飛び出してきたのだ。なぜか手には包丁が握られている。何だか、もうどうでもいいかも・・・ちょうど雪の中だし・・・いつも思っていた。死ぬのなら雪の中。手首を切るのがいい。枕になりそうな木もあるしうん。いいかもしれない。こいうのを運がいいとはいわないのかも知れないが、私はそう思ってしまったのだ。木の根っこに腰掛ける。幹に体を持たれかけ、一気に手首を切った。白い雪に紅い血はとてもキレイだった。思った通り。そう、と・・て・・・も・・・・・。【天国】あれ?私、死んだのかな。辺りは一面真っ白。いや、柔らかな光に囲まれている。きれい。降り注ぐ光は手の中できらきらと輝いている。「こっちにいらっしゃいよ」その声は優しく私はその声のした方に歩いて行った。ふわふわと浮いているような感覚で・・・・。
《思い出せなかったら編》【迷路】オモイダシタクナイ。思い出せない。思い出さなきゃ。ワスレタイ。忘れちゃいけない。忘れられない。イタミガヨミガエル。この痛みは消えない。傷跡は消せない。だから、思い出さなきゃ!!イヤ――――――――――――――!!パアァァァン何かが壊れた気がする。もう、思い出さなくていい。ほら、ゆっくり眠れそう。声はもう聞こえないんだから。
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《その後編》【覚醒】あれれ。私が手首を切ったのは雪の降ってた時期だから・・・。もしかして、だいぶん時間が経ってる!?家に帰ったら行方不明ってことになってる?ひ~。早く帰らなきゃ。と慌ててその場から離れた。家へと走っていくが、途中でどう説明しようかとも思った。まあ、気にせずにとりあえず帰らなきゃ。「ただいま~」私はとりあえず家にたどり着いた。「おかえり」奥から聞こえた声は冷静そのもの。「?」私は声の聞こえた部屋に行く。「どうしたの」母親がそう聞いてきた。「えーと、別に変わったことってない?」「特にないわよ」語尾に?がついてるように思える。確かに変な質問だ。いつもはこんなこと聞かないし。「今、4月だよね」確認してみる。「そうだけど・・・」「私、3月って何してたっけ?」「相変わらず、家でごろごろしてたじゃないの」?「そうだった?」これ以上聞くと気がおかしくなったと思われそうだ。私自身おかしいんじゃないかと思い始めた。行方不明になってないことは分かったんだが・・・。【店主】しばらくして、またあの店を見つけた。私はいつも持ち歩いていたあのナイフを返そうと思った。カランカラン。「おや、またいらしゃって下さったんですか」どうやら、店主は私の顔を覚えていたらしい。「どうです?不思議な体験ができましたか?」何を買ったかまで覚えているのか・・・。「ええ、まあ」「それで、そのナイフはもういらないのですか?」そう言って、私のバッグを指差す。透視でもできるのか?なぜ、バッグにナイフが入っているのか分かったのかは分からないがそう言ってくれるなら話は早い。「もう、私には必要ないですから」「そうですか」そう言って、レジからお金を出す。「あ、お金は別にいいです。私が勝手に返しに来たのですから」「それじゃ、このお店の品物を一つ持っていきますか?」ぐるっと店を見回す。別に欲しい物は見当たらない。「だったら、お金でいいですね」レジから出したお金を私に渡す。人の心も読めるのか?「なんで・・・」「分かりますよ。長く生きていればね」そう言ってウィンクしてみせる。「長くって、そんな年にも見えませんけど?」「若作りなだけですよ」いくつなんだろ?「いくつなんですか?」あ、言っちゃた・・・。「秘密です」そう言って、唇に人差し指を当てる。意外とお茶目な人だ・・・。「それと、あのナイフは買われてはいつも戻ってくるのですよ」そー言うことは早く言って欲しい。そして、私は店を出た。あれから、あの店は見つからない・・・。
文字数:1040文字
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文字数:746文字「思い出したんだね」頬には涙。どうしようもない痛み。息が荒く、鼓動が波打っている。「どうして・・・」私は痛みを抑えて叫んだ。「どうして、思い出させたの!!」そこは白い世界。ただ、ひらひらと羽が舞う。この羽は忘れろといっていたんじゃない。思い出せと言っていたんだ。そして、木の上に天使だけがいる。「あなたが決めたことだよ」「私が?」私は天使のいる木の上を見上げる。「私は思い出したくなんかなかった!」「でも、そのままじゃ進めない」天使の声のトーンが変わった。さっきまで優しく語り掛けるような声だった。それが、感情のない機械的なトーン。「だから、思い出して。痛みを強さに変える為に」これ、私の声。違う、私の声と重なって聞こえる。「あなた、誰?」そうだ、羽が在るから天使だって思ってたけど顔は見えない。天使はフワリと木から舞い降りてくる。その顔は・・・。「もう一人の私。やっと気づいてくれたのね」私!何も言えずにただ呆然とする私に天使は言う。「ここは死と生の世界の狭間」天使はそっと私の頬に触れる。「だから、死にたい私と生きたい私がここにいるの」にっこりと微笑むその顔は確かに私と同じ。「あなたは死にたかった。何もかも忘れて・・・。でも、私は生きたかった。全てを思い出して」私は死にたかった?違う。そうじゃない。「私は、許せなかったのよ。私の存在が」天使は少し悲しげな顔をする。「ええ。でも、もういいでしょ?大丈夫。私がいるから」そして、ぎゅっと私を抱きしめた。「大丈夫。もう、泣いていいの。いつか笑える日のために、私の存在を認めてあげて」私、きっと誰かにそう言って欲しかった。たとえそれが私でも。「そうね。もう、いいわよね」そう言って、私も天使を抱きしめた。多分、もう泣ける。ほら、頬が熱いもの。
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文字数:699文字「ダメだよ。あんまり考え込んじゃ」頭上で声が聞こえた。天使の声だ。「何で、邪魔するの。私、思い出さなきゃ」そう、何でここにいるのか思い出さないと・・・。「何をあせってるの?」あせってる?私が?「大丈夫。ここに時間なんてないんだから」羽がひらひらと舞う。「ゆっくりお休み」私は天使の優しい声と揺ったりとしたこの空間で意識がもうろうとした。考えなきゃ。だって何か忘れてる。なにを・・だ・・ろ・・・・う。「能面みたいな顔して・・・」「そんな絶望した顔」「無表情だよ」無表情?能面?私そんな顔してる?だって、知らない。何でこうなったのか分からない。私のせい?これは私の顔だからこうなったのも私のせい?別に絶望してるわけじゃない。でも、鏡の中の私に表情なんかない。ああ、やっぱり無表情なのかな。そうなのかもしれない。でもいまさら変えようがないし、このままでいいや。このまま・・・自分は無表情なんだって認識してれば。大丈夫。私に感情なんかいらない。痛みも悲しみももういらない。何も聞かない。何も見ない。何も言わない。ほら、ダイジョウブ。全ての感覚を断ち切って・・・。―――――――――――。何かを忘れている。何を?ドウシテコウナッタノ?どうしてだっけ?何かきっかけがあったのに。キッカケ・・・。なんだったけ?「・・・。」ああ、そうだ誰かの言葉。なんて言われたんだっけ?「!」やだ。オモイダシタクナイ。思い出せない。思い出さなきゃ。ワスレタイ。忘れちゃいけない。忘れられない。イタミガヨミガエル。この痛みは消えない。傷跡は消せない。だから、思い出さなきゃ!!「キ・ラ・イ」――――――――――――――――――!!