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文字数:765文字その夜。うつらうつらとしていた時・・・コツン コンッナニ?窓に何かがぶつかる音がする。ここは二階なのに。キィ窓を開けてみた。その窓の外に彼がいる。ウォルトだ。そして、公園のほうを指差した。あそこに来いって事?私は、こっそりと家を抜け出した。外は、とても寒い。雪がちらほらと落ちてくる。前にウォルトがいた。「あなた、何者なの?」「君には、わかってるだろう?あの夢で・・・」この人、やっぱり・・・「ヴァンパイア?」「そうだよ」冷たい瞳でそう答える。「だったら、私も連れていって」ウォルトは、ちょっと驚いた様子だっだ。「どうして?」「いつもあなたを待っていた。『今』という時間を閉じ込めて、異質なものになりたかった。」それが、私の願い。まっすぐと、ウォルトを見据える。「クスッ」急に彼は笑い出した。「君は、何も知らないんだな。人を糧にして永遠を生きるのはただ、悲しいだけだ」そう言ったウォルトの蒼い瞳は哀しみをたたえていた。「それでも・・・!」「間違えるな。君は俺と同じじゃない」彼は静かにそう言った。私が彼方と同じ?――――――――彼は、私の・・・私は、彼の?遥かな記憶 あれは・・・いつ?むせかえる血の香り。満たしきれない望み。永遠の痛みと後悔。いつだった!?過去?ちがう。もっと、昔・・・私の
前世 の姿。彼は私の前世。「あなたは、私の・・・」ウォルトはそっと、私の唇に人差し指をあてる。「君は、君だよ。それ以外のものにはなれない」私の願いは彼の願いだった?異質な者を望んでいたのは彼の方だ。「だから、連れては行けない」そして、唇が唇に少し触れた。「もう、この町を離れるから、お別れに・・・」彼の唇は血の味がした。私は、動けなかった。彼は過去の私。私が、願っていたのは・・・彼はそのまま、雪の中に消えていった。決して振り向かずに・・・
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文字数:854文字夢を見た―――悪魔の夢。そう、それは悪夢。闇に浮かぶ満月。滴る血。人々の叫び声。恐怖が辺りを包み込む。殺すことを楽しんでいるこの身体の持ち主。多分、村人への復讐なんだろうけど酷すぎる。子供まで容赦なく殺してる。口の中に血の味が染み込む。憎しみの味。そして、干からびる死体。!!ヴァンパイア――――この身体、もう人じゃない!『永遠の罪』ってこういうことか。だから、迷っていたんだ。生きたいけど、人ではいられない。いつか、これと同じ思いをしたことがある。え?何言ってるんだろうそんなはずない。私、人を殺したことなんてないのに・・・。パシャン湖に来て血を洗い流している。ふと空に目がいく。月が綺麗に出ている。水が汚れを落としてゆく。顔を洗おうと水に顔を近づけたその時・・・!!水鏡に、この身体の顔が映る。それは、あのウォルトと同じ顔だった。だけど、私にも似ている・・・。私に?私の顔を、男の子にしたらこんな感じだろうか。ただ、瞳だけは違っていた。憎しみに燃えるような、後悔に駆られるような・・・私はこんな瞳を知らない。ちがう。遠い過去に見たことがある。これと同じ瞳を。いつ?いつだったのだろう?い・・つ・・・・――――――――――!!目が覚めた。何なのよあの夢。え・・・っと何の夢だっけ?ヴァンパイア?鬼?の夢・・・ウォルトが鬼?うーん。ちがうヴァンパイア!!そうだ、彼がヴァンパイア彼がヴァンパイアなら私の願いが叶うもし本当にヴァンパイアなら・・・ん?今、何時なの?私は、傍にあった時計に目をやる。げ!!やばい・・・。もう授業始まってるんじゃないの!!バタ バタンッ慌てて着替えをすませる。そして、階段を駆け下りる。「華雪、どこいくんだ?」お兄ちゃんが呑気にそう言ってる。「お兄ちゃんどうして起こしてくれないの!!遅刻しちゃうじゃない」「今日、日曜だろ」え?ピタッかあああぁぁぁ顔が赤くなる。そうだ、今日は休みだ。「何、慌ててんだ?」「ハ、ハハッ・・・ちょっと勘違い・・・」私はそのまま、Uターンして部屋に戻った。
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文字数:1064文字目が覚めた。「おい!!また遅刻する気か」目の前に目があった。「きゃああああぁぁぁぁぁ」と思ったら、お兄ちゃんの顔だった。「な、なんで、部屋に入って来てるの!?」いつもなら、ちゃんとノックしてくれるのに・・・「なんでって、お前が起きてこないからだろ。まっ遅刻したいなら別だが」「遅刻?」私は、傍にあった時計に目をやる。げ!!やばい・・・。あと5分で、始業のベルが鳴る。慌てて着替えをすませる。そして、階段を駆け下りる。そのまま、玄関へ「いってきまーす」バタンあー今日も完璧に遅刻だ!!学校の帰り道。今日は友達と一緒だった。「華雪、今日も間に合わなかったね」「あの夢見るようになってから、起きられなってる」そうすべて、あの夢のせいだ。「あの夢って?」「変な夢。私が、男の子になってるの」そう、大体あいつは誰なのよ。「なにそれ?」あ!!私の視界に、あの人が入った。そう、彼に会ってから、あの夢を見るようになったんだ。「華雪?」「ごめん、用事があるから。じゃね」私は、そう言うと彼のほうにかけだしていた。「え?ちょっと、華雪!」友達の声が聞こえたが、気にせずに彼の後を追いかけた。彼は、人並みをぬってはやばやと歩いてる。速い・・・。角を曲がったところで見失ってしまった。ハア つ、疲れた。あれ?ここ、彼を見た公園だ。あの日、彼は何をしていたんだろう?「俺を捜していたのか?」急に後ろから声がした。ふり返ると、そこにいたのは彼だった。誰かに似てる?「あ、・・・」彼だ!この人の瞳が、夢の中の助けてくれた人の瞳に似てる。「どうした?俺に聞きたい事があるんだろう?華雪」!!「どうして・・・。私の名前を?彼方は誰?」どうしてだろう?彼の瞳を、ずっと前から知ってる。「俺は、ウォルト。華雪、君の・・・」すい込まれるような青の瞳。「華雪!!」公園の入り口のほうから声が聞こえた。え?「お兄ちゃんなんでここに?」ずかっずかっお兄ちゃんは目の前の彼を睨む。「帰るぞ!」グイッ有無を言わさずに、私の腕を引っ張る。何?なんでそんな怖い顔してるの?「痛いよ!何なのよ一体?」家の中に入って、やっと腕を放した。「いいか!あいつには近づくな!!」お兄ちゃんは、怒鳴るような声でそう言った。「ちょっと、何でお兄ちゃんにそんなこと言われなきゃならないの!!」私もつい、怒鳴り声になってしまう。「あいつは、お前の・・・」私の?何「いや。とにかく近づくな。あんな得体の知れない奴なんかに・・・」慌てて言いなおしたような口調で、お兄ちゃんはそう言った。何なの?彼が私の何?
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文字数:710文字夢を見た―――悪魔の夢。崖が真上に見える。あの夢の続きかな。体のあちこちが痛い・・・私は空を見ながら思った。いや、実際にそう思ってるのはこの体の持ち主だろう。あお向けになった身体は動くことも出来ないようだった。あれ?この身体の思考は何も感じられない。死んでるのかな?サク サクッ草を踏む音が聞こえる。誰か近づいてくる?人影が、視界の端に見えた。男の人?まさか、村人じゃないでしょうね・・・ピクンッこの身体の手が動いた。(誰?)あ、生きてたんだ。近づいてくる人影は、どうやら村人ではない。若い男の人だ。「その身体では、もう死ぬしかないな」その人は冷ややかにそう言った。助けてくれるのかと思ったら、何てこと言うのよ。(死ぬ!?)「イヤか?私にその身を預けるなら助けてやってもいいが・・・」助けてくれるのなら最初からそう言いなさいよ!!「永遠の罪を背負う覚悟があるなら」???なんの事?(!!)この身体の持ち主は意味がわかったようだ。(・・・・・・)何かを考えてる?何迷う事があるのよ!!助けてくれるって言ってるんだから、助けてもらいなさいよ!―――――――――――「た・・す・・・・・け・・て・・・・・」声を振り絞ってそう言った声が聞こえた。「よかろう」そして、その人はこの身体の唇に自分の唇を・・・キスーーーーー!!!!ちょっと、私のファーストキスどーしてくれんのよ!!ま、いいや。これ夢の中だしじゃなくて、この身体確か男じゃなかった?・・・・・・・・考えない事にしよう・・・・この身体は、力つきて意識がなくなってゆく。あれ、 この人の目、誰かに似てる。誰だっけ?誰かに・・・だ・・・れ・・・か・・・に――――――――――!!
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文字数:772文字ドシンッ「あたたっ」目が覚めた。どうやらベットから落ちたようだ。何なの?あのユメは・・・コンコン「華雪。いい加減に起きないと遅刻しちまうぞ」お兄ちゃんがいつものように起こしてくれる。遅刻?傍にあった時計に目をやる。げ!!やばい・・・。慌てて着替えをすませる。そして、階段を駆け下りる。キッチンにあるトーストを急いでほうばる。「もう少し落ちついて食えよ」「そんなひまないってば!!」そう言いながらも、ふとテレビに目がいった。「あ!」テレビの画面には、昨日のあの女の人がでていた。『被害者は、外傷がなく全身の血が抜き取られていることから・・・』一瞬昨日のことがよみがえった。全身の血が抜き取られて?「なにやってんだ?時間がなかったんじゃないのか」お兄ちゃんの声にハっとした。「え?きゃあ!遅刻しちゃう」バタバタ「いってきまーす」バタンッやっと、学校が終わった。その帰り道、雪が降ってきた。あーあ、さんざんな一日だった。家の前で思いっきり滑るし、結局遅刻はしちゃうし・・・信号が点滅してる。車が目の前を通り過ぎて行く。あれ? あの人昨日の・・・ヴァンパイア―――交差点の向こう側にあの人がいる。雪の舞い降る中、その人は傘も差さずに立っていた。彼は、じっと私を見つめている。彼の瞳は・・・あれは、遥かな記憶私の・・・「あぶない!華雪!」え?誰かにグイッと引っ張られた。そして、私の目の前を車が通って行く。「何やってんだバカ!!」振り返ったその先には「お兄ちゃん!」「死ぬ気かよ。フラフラと車道に出るなんて・・・」あ、あの人は?交差点の向こうにその姿はなかった。「聞いてるのか!!」お兄ちゃんの怒鳴り声が耳元で響いた。「うん。聞いてるよ」家に帰るまで、お兄ちゃんは小言を言いつづけた。が、私の耳には届いてなかったみたいで、私はあの人のことばかり考えていた。